国内ビットコイン取引所大手のbitFlyerが「SFD」の導入を決定したと報じられました。
目的はLightning現物とFXとの価格乖離の縮小。現物取引とFXとの間の価格の差を小さくすることです。
SFDとは
SFDは「Swap For Difference」の略で、直訳すると「差額交換」といったところです。
SFDの仕組みとルール
SFDはLightningFXで働きます。公式発表の例を用いながら解説します。
例:
Lightning 現物(BTC/JPY)(最終取引価格:2,000,000 円)が Lightning FX(最終取引
価格:2,300,000 円)対比 15% 高く乖離しているときに Lightning FX で 1 BTC/
2,300,000 円(Aさん買い、Bさん売り)の約定が発生した場合の SFD 額について
Aさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として徴収
Bさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として付与
出典:【重要】Lightning 現物(BTC/JPY)と Lightning FX の価格乖離の縮小を目的とした「SFD」導入予定についてのお知らせ (PDF)
追記:実際にbitFlyer導入されたシステム上では、新規注文・建玉決済の双方で約定の度にSFDがかかっています。ご注意ください。
上記の例では1%のSFDが働いています。
徴収または付与する額は価格乖離率によって算出されます。これも公式発表資料に記載されています。
SFD の算出に用いる比率:
価格乖離 | SFD比率 |
10% 以上 15% 未満 | 0.5% |
15% 以上 20% 未満 | 1.0% |
20% 以上 | 3.0% |
出典:【重要】Lightning 現物(BTC/JPY)と Lightning FX の価格乖離の縮小を目的とした「SFD」導入予定についてのお知らせ (PDF)
SFDが徴収されるか付与されるかは、価格乖離が拡大する方向にポジションを取るか、縮小する方向にポジションを取るかで決まります。とはいえ、現状ではFXの価格が現物を上回っていることがほとんどなので、ロング(買い)を約定すれば乖離率に応じて0.5%~3.0%のSFDが徴収される可能性が高いといえます。
現在は1BTCで100万~200万が普通ですから、SFDだけでも相当な額になることを注意しなければなりません。
SFD導入の背景
導入の理由は現物とFX価格の差ですが、その背景にはFX価格の一人歩きがあります。
証拠金によるレバレッジの利いた取引ができるビットフライヤーのLightningFXは、現物価格の影響を受けにくくなっていました。
SFDを導入することで価格差を拡大する取引の抑制され、ひいては価格乖離の縮小が期待されます。
SFD導入の影響
1月16日にbitFlyerが実施の発表しただけでビットコイン価格は暴落。制度の実施は1月中が目処とのことですが、おそらく実装される頃はより価格乖離がなくなっていると思います。
少なくとも、FXにおいて無茶苦茶な値動きで振り回されるリスクが減るはずでした・・・が、制度的に極めて問題があるようです。
ビットフライヤーFXのスワップシステム
9%や14%乖離で乖離促進買いをするとむしろ儲かるシステムになってる
早急に是正されないと金融庁指導案件レベルかと乖離ポジション持ってる人が毎日逆ポジションにスワップ支払うか
もしくは最低でも返済する約定にスワップをかけないようにしないと— cis@株 先物 FX 仮想通貨 ドラクエ (@cissan_9984) 2018年2月18日
乖離促進買いの方が儲かるということで、価格の乖離縮小効果もあまり期待できそうにありません。
2月1日追記:SFDの実装は2 月前半に延期されるようです。bitFlyerもサーバーダウンが頻発していますし、取引所の問題が多々取り沙汰されています。
2月18日追記:制度的な問題から投機的要素が濃くなり、修正を待つべきとの声が多い状況です。