社会・仕事

優柔不断を直したい!著名コンサルが『決める』で明かす思考の鋳型としての決断のテクニック

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決める表紙

決める――すべてを一瞬で判断できるシンプルな技法という書名だけだと内容が分かりづらいですね。本の内容は、前半は効果的な決断の方法、後半は仕事術に関する記述が多いです。

著者のスティーブ・マクラッチー氏はグーグル、マイクロソフト、ディズニーなどの世界的企業をクライアントに抱えるコンサルタント会社のCEO。

今回紹介する『決める』も、コンサルタントらしい、実務にすぐ活用できるノウハウが収められた一冊です。

決断の方法を知る

人生は決断の連続です。

あなたがこの記事を開いてくれた小さな選択から、結婚や就職のように将来を左右する大きなものまで、私たちは数え切れない選択の毎日を生きています。

選択肢の多さは自由の象徴である一方、決断の重みは増していきます。

その重みを知っているからこそ、明確な判断基準を持たないがためにいつまでも迷い、一度決めてもそれが正しいのかどうかで悩み続ける。こんな苦しい思いを味わった事のある人は、私以外にもたくさんいるはず。

そんな方にこそ、本書で紹介されている決断の方法は、今後の生活を変えるヒントになるでしょう。

ゲインとペインに着目する

著者のマクラッチー氏は、人間のモチベーションの源は獲得(ゲイン)苦痛(ペイン)の回避に分類できると言います。

そして、あなたの人生を前進させるのはゲインのための行動だけであり、いかにペイン回避タスクを上手に処理しながら、ゲインタスクを追求できるかが問われます。

ゲインは現状に何かをプラスする行為であり、緊急性がなく、別に今すぐしなくても困らないことで、自発的な行動を指します。

対してペイン回避は逆に、マイナスを回避する行為で、時間的な制約があり、義務的にしないと困るもので、他者や環境からの圧力によってする行為です。

  • ゲイン(獲得):欲求から成る。自分が選び、成し遂げる。義務ではなく、しなくてもよい。価値を付加する。
  • ペイン(苦痛)回避:不安や外圧から成る。時間制限がある義務。損失を回避する。

単純に行動の種類だけでなく、個々人の置かれている状況や動機によってゲインとペインが入り混じる場合もあります。

具体例でいえば、健康のためにダイエットを始めるとして、その動機が「今より痩せてかっこよくなりたい」ならゲイン。定期健診でメタボにひっかかって「体調を崩したくない、早死にしたくない」という動機ならペイン回避。

人によっては両方の理由がきっかけでダイエットを始める方もいますね。

将来のための貯金や投資、資格の勉強、読書などもゲイン。日々の締切に追われる仕事や固定費の支払い、生活に必要なタスクなどはペイン回避です。

脳は痛みを避けようとする

 脳は「改善よりも生存を」「何かを得ることよりも苦痛を避けることを」「『する必要のないこと』よりも『する必要のあること』を」優先するようにできている。
それが本能だ。

人間は、本能に任せているだけではペイン回避タスクばかり優先してしまいます。ヒトは何かを得るより失う方に苦痛を感じるようにできているからでしょう。

しかし、行動のすべてがペイン回避タスクに分類されるもので、ゲインタスクを1つも実行しなければ、決して前に進むことにつながる結果は生み出せない。何年たっても、同じ場所で同じことをしているハメになる。その人生に動きはない。

いわゆる「いい人」が出世できない理由ですね。

ただ一生懸命やっているだけではダメだということです。ペイン回避タスクにばかり気を取られて、成果や利益を得られる仕事に手が回らない。一方で他人の評価を気にせずゲインに没頭できる人間が、悪人と言われながら高い成果を挙げるのでしょう。

以上を見ても、多かれ少なかれ、私たちは意識的にゲインタスクをこなす必要があります。

ゲインとペインの概念は個人のライフハックのみならず、組織運営にも応用できます。

もしあなたの会社が毎日多忙で、日々押し寄せる業務を処理するばかりなら、ペイン回避に終始している状態。それでは会社は成長しません。

想像の範囲を広げれば、今のこの国にも同じことが言えます。過去の高い価値観を捨てきれず、社会的な課題を潰すのに精いっぱいで未来へのゲインタスクを取ることができない。年々増える社会保障費に税金を費やしながらも先行きの見えない状況は、ペイン回避そのもの。

この辺りに、人々が感じる焦りと閉塞感の原因もありそうな気がします。政府自体が民意で成り立ってますから、ある意味政府が「いい人」にならなければならないのも仕方ない気もしますが…。

ゲインとペインの見分け方

何かを決めるときは、行動の動機がゲインかペイン回避なのかを見極めることが重要だとわかります。

本書ではゲインについて、消費行動を目的とする消費ゴールと、より生産的な創造ゴールについても解説されています。

しかし、それだけではまだわかりにくい。例えば、自分のゲインタスクが複数見つかったとき、どれを優先するか。好きなことをやるのか、よりお金が貰える仕事を選ぶべきか。

この辺りのゲインの選別法については本書だけではやや物足りないと感じました。

著者がゲインタスクを選別する効果的な方法として、

「このタスクを実行すると、自分の人生にどんな結果がもたらされるか?」

と言う問いかけを挙げています。

締切や緊急度ではなく、結果に注目することが上手な優先順位の付け方です。

他人からの圧力や評価で決めるのでなく、自分の人生をどうしたいかという思いを優先させるべきなのです。

ゲインタスクは、満足を覚える結果や、人生に大きな影響を与える結果を生み出すために行うことであり、それは、自分のアイデンティティを形成してくれるものである。人生に「記憶」「感情」「目に見える成果」として残るものであり、人生に「進歩」「成長」を与えてくれるものであり、人生を向上させてくれるものだ。

また、私たちのエネルギーの原動力としてのモチベーションに注目することも判断の一助になるでしょう。

これらの背後にあるのは、お金や成功を求める気持ちではない。成長、発展、進化を続けていきたいというモチベーションだ。

あくまでも内発的動機からゲインを見出す重要性が語られています。

この点はダニエル・ピンクのモチベーション3.0にも通じる考え方です。正しく自身のキャリアを深めていくための方法といえます。

ビジネスマンにおすすめ

このほか、決めるでは、ゲインの性質を利用した仕事の進め方やスケジュール管理、情報整理が紹介されています。

日常的に決断を必要としているすべての人に役立つ内容ですが、コンサルタントが書いただけあって、とりわけ多忙なビジネスマンにとって実用的な選択の方法が学べる本ではないかなと思いました。

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