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飲食店バイトの時給は上がって、保育士の給料が安いままの理由とは?

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アルバイトの時給が上がり続けています。人件費の高騰は飲食や小売業界で特に顕著で、理由は人手不足。労働市場の需要と供給が反映された形です。

このようにある職業の給与が単なる需給で決まると考えれば、保育士の給料が低いのは人材が足りているからで、今いる保育士にいなくなられても同等の給与で人材の補完ができるからと言えます。しかし現実はそうじゃない。

深刻な保育士不足は何年も前から叫ばれています。理由として挙がっているのは、以下のような労働環境や労働条件。

  • 1人の保育士が担う仕事と責任の多さ
  • 労働量に見合わない給料の安さ
  • 女性ばかりの職場での人間関係

サービス残業や職場外での作業も含めれば、実際に条件はより劣悪ともいえる状況です。仮に月給が額面15万として22日勤務したら日給6818円。1日8時間労働として時給換算したら852円。現在の東京都の最低賃金は958円ですから、明らかにおかしいですね。

参考賃金・最低賃金・家内労働関係(東京労働局)

需給バランスで給与が決まっていると考えれば、保育士の職は供給量(なり手)が充分あるからという結論に行き着くのが普通。
でも調べてみたら、この問題そんなに単純な話じゃなかったです。

しかも似たような問題を抱えているのは保育士だけでもなく、介護士、建設作業員なども共通点の多い状況にあることがわかりました。

しかし、どうしてバイトの給料は上がって、保育士の給料が上がらないのでしょうか。この点から掘り下げてみましょう。

なぜバイトの給料は上がったのか

飲食店のバイトの給与も人手が足りないと言われ続けながら、ずっと低調でした。私もおよそ10年前に700円台の時給でレジを打ってたことを思い出すと、すごい違和感があります。それが今や時給1,000円は当たり前。なぜ急に上昇に転じたのでしょうか。

理由はシンプルで、募集しても人が来ないから。

ではなぜ人が来ないのでしょうか。他にもっといい仕事があるからです。

有効求人倍率は約1.4倍に上昇。実は人手不足で悩む飲食や小売以外にもバイトの時給は軒並み上がっていますし、コンビニに限らず、非正規社員の需要は高まり続けています。

バイトの時給が上がったもう一つの理由が、辞めやすいから。雇用の流動性が高いんですね。外国人バイトが数多く根付くように、高度なスキルが求められるわけではないですし、非正規社員が多い。このような業界は入りやすく辞めやすいのが常態です。

一方で保育士や介護士の仕事はやめにくい、というかやりがいのある仕事なんです。それが逆説的に給与の引き上げの足かせになっている可能性があります。

残された善人が損をするシステム

やりがいを感じられる仕事は、給料が多少低くても頑張る方が存在します。

同僚が給料を理由に辞めれば、残された自分の仕事量は増える。けれどもここで私がいなくなったらこの子たちの面倒は誰が見るんだ、となる訳です。しかしそれで曲がりなりにも仕事が回っていれば、運営者側の危機感もいつしか薄れてしまう。皮肉にも責任感ややりがいがある仕事ほど給料が上がらなくなってしまうのです。

介護の現場でも同様の現象が見られます。建設現場でも、あいつが抜けた分働かないと工期に間に合わない、と余裕なく働く。他の業界でも似たようなことが起きているのではないかと思います。

そして限界まで人件費を切り詰めた状態を続けた結果、疲労や注意力不足がたたって事故やミスが起こる。最悪ですね。

なぜ保育士の給料は上がらないのか

アベノミクスの成果でベア(ベースアップ)による給料アップが話題になりましたが、あんなのは一部の大企業、業界だけの話だったと感じられている人も多いでしょう。

ではなぜ保育士や介護士の給料は上がらないのか。いくつかの原因が考えられますが、まず保育所の運営費のほとんどが保育料と補助金で賄われていることです。

保育園のビジネスモデルについては、こちらのフローレンス代表の駒崎さんが書かれた記事がわかりやすいです。

要は認可保育所は、純粋な市場原理のもとに成り立っていない、官製ビジネスなのです。

だから給与が需要と供給という市場原理で決まらない。いわば、運営費を保育料と国からのお小遣い(補助金)の中でやり繰りしないといけないからです。これでは上手に補助金を引っ張ってこれない保育所は給料を支払えないまま。給与が上がらないのは、理事長が私腹を肥やしている訳ではないと思いますよ。

じゃあ保育料を上げればいいじゃん、と考えたいところですが、保育料は住民の所得ベースで決まるんですね。それに保育所需要に沿って費用を引き上げると、低所得世帯は保育所を利用できなくなってしまいます。

保育所は福祉施設であり、教育と同様貧富の差に関係なく利用できるようにするためです。オプションとしてお金を取る混合保育も制限されています。なぜなら、「お金をもっとくれれば、もっと良い保育をしてあげるよ」となると、貧富の差なく受けられる保育という原則から外れるためです。

引用:保育士は「誰でもできる仕事」か(ヤフーニュース)

結果、現状だと補助金を増やすしかない答えに着地します。でも話は簡単なようで、そう簡単でもないんです。

参考保育料 “引き上げ”あるか?(NHKNEWSWEB)

政治力が弱い

保育に予算さえ引っ張ってこれれば問題が全部とは言わないまでもかなりマシになるはず。そうならないのは業界の政治的発言力のなさです。そもそも国にお金を貰ってやっている上に、業界自体が利益を生まないのが最大の理由でしょう。

しかし保育士が利益を生まない仕事なのかというと決してそんなことはなくて、未来を担う子供たちの最初の教育を預かる重要な仕事。それがなぜここまで冷遇されているかというと、その利益(恩恵)が数字として目に見えないから。成果が表れるのはだいぶ先の話だから。本当にバカらしいですがこれが本質なんじゃないかなと思います。

裏を返せば日本社会全体が余裕がないとしか言いようがないですけどね。余裕がないと人は待てない、考えない、物事の表面ばかりみて判断する。だから消費税を上げて法人税を下げ、儲けてくれる業界にもっと利益を出してもらおうとする。縁の下の力持ちが評価されない社会なんです。

保育士の給料を上げたらどうなるか

そもそもなぜ保育士が人材不足で足りないかといえば、女性の社会進出に端を発しています。

簡単な流れとしては、若者の収入が増えない。一人(父親)の収入では子供を育てられない。だから女性も働く。働くには子供を預ける施設が必要。待機児童が増加。保育所(保育士)が足りない。まあ、大筋ではこんな感じでしょう。

待機児童問題を受けて各自治体が保育士の争奪戦を繰り広げている訳ですが、月給を上乗せした方に多くの保育士が流れたようです。

昨年度、待機児童の数が全国ワースト2位だった船橋市。
今年度は、保育士の月給をおよそ3万上乗せする手当や家賃補助を設けるなど、優遇策で保育士の採用につなげようとしています。

引用:“保育士が足りない” 過熱する争奪戦(NHK)

給与を上げれば保育士求人の魅力が高まるのは確かですが、根本的に保育士になる人を増やすまでいくかは疑問です。千葉市と船橋市の例でも、船橋に移った分の欠員はどこからも補充されていませんね。

働き方改革だけで給与は上がらない

保育士として働く意志はあるけど働けない方の悩みの種が現在の働き方。保育士さん自身に子供がいたり、空いた時間で不定期に働きたい場合にそれができる職場が限られています。

よりフレキシブルに働ければ保育士のなり手(供給)は増えそうですが、残念ながらこれだけでは給料は増えないと私は思います。むしろ運営が安定して決着しそうです。なので厚生労働省は保育士の資格を緩和に動き、さらなる規制の緩和も画策しています。安月給でも働いてくれる人が増えれば良いという寸法でしょうか。金を払わずに問題が解決するなら、言うことないですからね。

給料がアップする可能性があるとすれば、国が自由な働き方を推進して所定の条件を満たした事業者に補助金を増額する場合。それでもやっぱり利益は生んでいない訳で、業界自体の自助努力できる範囲が限られてしまうのはどうしようもない感じがします。

この辺は私は専門家でも何でもないので、詳しい方はもっと良い方法をご存じなのかもしれませんが。

人材の供給源がまだあるうちは、給料は上がりにくい

これだけ買い叩かれている状況でありながら保育士が一定数いる理由には、しっかりした供給源の存在が挙げられます。代表的なのが大学や専門学校の保育士になれる学科やコース。こども保育の学校を出たらとりあえず保育士目指してみようとなるのが自然です。しかも保育士はそんなに潰しの効く資格でもないです。

保育士として働ける資格がありながら保育の現場で働いていない潜在保育士が約80万人もいると言われている一方で、どんどん資格者を増やしてその中で働いてくれる人がいれば間に合うわけです。

子供の頃から保育士になりたいと思っていて、なってみたら実態と違っていて辞めたとしても、また新しい子が保育士になろうと思う限りこのスパイラルは続いていきます。もしも保育士のなり手が危機的に減って需要が増した結果給料が上がるときは、その職業の魅力が最低レベルまで下がっていることを意味するので複雑です。

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