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『残酷すぎる成功法則』レビュー|これを読めば他の自己啓発書はいらない?

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残酷すぎる成功法則

著者のエリック・バーカー氏の公式ブログのドメインを見た日本人は思わずニヤリとするでしょう。

何でも、バーカーを日本語の馬鹿(idiot)とかけているのだそうです。

この方のブログは以前読んだことがあって、ユーモアを交えた文章で厚みのある記事を書く方なので、『残酷すぎる成功法則』も期待して手に取ることができました。内容は期待以上、率直に凄い本です。

あと、特に残酷すぎる本でもないのでご安心を。

薄っぺらで中身のない自己啓発にさよなら

この本の価値は監訳を務めた橘玲氏の言うように、様々な成功哲学を一つ一つエビデンスをもって検証していること。

書店に行けば膨大な自己啓発書、ビジネス書が並んでいますが、言葉を変え著者を変えて同じような主張ばかり繰り返されていることに気づいた方は、現状にうんざりしているのではないでしょうか。

刺激的なタイトル。成功を誇張する有名人の表紙。手に取って読んでみて、思い切りによい主張にふと脳裏を掠める猜疑心。

「で、この人の主張の根拠は何なんだ?」

読者に寄り添う自己啓発書は読むだけなら気持ちの良いものです。普段文章を読まない人でも読み通せるようにできています。

私はこうやって変われた!あなたも変われる!

希望とやる気を感じる読後感。何かが変わった気になれたのもつかの間、すぐに魔法は解けます。自分は冷静に戻っても、本の代金は戻らない。今までと変わらない現実だけがそこにある。その繰り返し・・・。

少なくとも本書を読めば、そんな一連のルーティーンから抜け出せるきっかけをつかむことができるでしょう。

自信を持って成功への道を進める

過去8年に渡って著者がブログ通して重ねてきた丁寧な調査と専門家へのインタビューには、空疎な自信とは別種の説得力があります。

例えば、偉大なリーダーの条件とは何か。

試しにAmazonでリーダーと検索すると、まあ色々な本がヒットします。

「リーダーは何もしない、リーダーは非情、部下の感情を動かす、小心者、マッキンゼー、ハーバード・・・」

片っ端から読みますか?優れたリーダーがそんなことをするでしょうか。

偉大なリーダーのすべてを教えてくれる訳ではないにせよ、本書の解説は明快です。

ハーバード大学ビジネススクールのゴータム・ムクンダという研究者は、リーダーは根本的に二つのタイプに分かれると分析しました。(P26)

タイプ1は「ふるいにかけられた」リーダー。タイプ2は「ふるいにかけられていない」リーダーです。

詳しい説明は本書に譲るとして、簡潔に説明してみますと、タイプ1は優等生タイプ。官僚やサラリーマン社長の典型例ですね。トップに立つまでに様々な審査を経てきている(ふるいにかけられている)ため、常識的で保守的。不測の事態やイノベーションには不向き。タイプ2は起業家や突発的に権力の座についた政治家。こちらは常識に染まっておらず、変革をもたらす。本書ではチャーチルが代表例に挙げられています。

日本はリーダーを適切に選べるか?

本書の知識をもとに日本の政財界に目を向ければ、タイプ2のリーダーの姿はほとんど見当たりません。

タイプ1のリーダーは好景気の時の業績安定や既存路線の延長には能力を発揮できますが、変革の求められる場面には明らかに不向き。続発する大企業の不祥事はタイプ1のリーダーが無理に合理化を進めた結果だと考えれば、かなり納得がいくのではないかと思います。

政治はもっと面倒で、民主選挙のプロセスを経て選出されるため、変人は大衆受けが悪いです。アイデアや実行力に欠けた政治家ばかりな理由は、国民性の他にリーダーの性質と政治システムの不一致もあるのでしょう。

自己啓発書を読んだ方こそ楽しめる

本書はこれまでに自己啓発書やビジネス書を読んできた方のための本とも言えます。

すでにあなたは、これまでの実体験や知り合いの話、書籍、ウェブ記事で、成功を目指すうえで役に立つ資質や戦術について多くを学んできたかもしれない。ところが、真に確証を得られたものは一つもない。逆に、役立たないとして除外すべきものはたくさんある。私が本書で探求したいのはまさにそのあたりだ。P17

こうエリック・バーカーが述べているように、囚人のジレンマやマシュマロテスト、引き寄せの法則など、これまで自己啓発書を何冊か読んだ方には聞き覚えのある研究や法則はもちろんのこと、初めて知ることになる専門家やエキスパートへの取材と調査が、成功哲学の迷路から抜け出すガイドをしてくれます。

少々分厚い本ですが、成功法則に興味を持ってきた人ほど、読み通すだけの予備知識がすでに備わっているのです。

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